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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなる状態を繰り返す病気です。特に多いのが、気道が物理的に狭くなる「閉塞型SAS(OSAS)」で、日本人では中年男性を中心に多くみられますが、痩せている方や女性でも発症する可能性があります。SASを放置すると、高血圧、糖尿病、心不全、脳卒中など深刻な合併症を引き起こすリスクが高くなります。一見ただの「いびき」に見えても、体に大きな負担をかけていることがあるのです。

睡眠中の「いびき」や「無呼吸」、気づいていますか?

「最近、いびきがひどいと言われる」「昼間に強い眠気がある」― そんなお悩みは、もしかすると睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かもしれません。SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まることで、体に大きな負担をかける病気です。質の悪い睡眠が続くと、日常生活にも悪影響を及ぼします。早期の発見と治療が、快適な生活の第一歩です。

 

SASの主な症状とは?

SASは自覚しにくい病気ですが、以下のような症状が見られる場合は要注意です。

睡眠中の症状

大きないびき、断続的ないびき
無呼吸(呼吸が止まる)
息苦しさやむせて目覚める
頻繁に目が覚める、トイレに何度も起きる
寝汗を多くかく

起床時の症状

のどの渇き、頭痛、だるさ
熟睡感がない、すっきり起きられない

日中の症状

強い眠気、集中力の低下
倦怠感、作業能率の低下
性格の変化やイライラ
居眠りで支障をきたす(自動車の運転で事故を起こしそうになる)

 

日中の眠気は、交通事故や労働災害のリスクにもつながります。ご家族やパートナーから「いびきがひどい」「呼吸が止まっている」と言われたことがある方は、検査をおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群の原因は?

SASの多くは、上気道(のどの奥)が睡眠中にふさがる「閉塞型」が原因です。

主な要因

肥満(首周りの脂肪沈着)
首が太く、気道が狭い
扁桃肥大や鼻づまり
飲酒・喫煙
顎が小さい、下顎が後退している
仰向けで寝る習慣
加齢(筋肉の緩み)

 

中には、脳の呼吸中枢が関係する「中枢型」や、それらが混在する「混合型」もありますが、日本人の大多数は閉塞型(OSA)です。

SASによって引き起こされる病気は?

SASは単なる「睡眠の質の低下」にとどまらず、以下のような重篤な合併症のリスクを高めます。

主な合併症

高血圧(治療に抵抗性を示すことが多い)
心筋梗塞・心不全・不整脈
脳梗塞・脳出血
糖尿病(インスリン抵抗性の悪化)
認知症
交通事故(居眠り運転)
ED(男性の勃起機能障害)

 

※慢性的な酸素不足と睡眠の断続によって、自律神経やホルモンバランスが乱れ、全身に悪影響が及びます。

 

SASの検査方法

①ご自宅でできる簡易検査(簡易ポリソムノグラフィー:簡易PSG)

当院では、ご自宅で手軽に行える簡易型の睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査を実施しています。
この検査は1日のみで完了し、痛みもなく、普段通りの就寝環境で行えるため、初めての方にも安心して受けていただけます。

検査の流れと内容

小型センサーを使った自宅検査

検査当日は、以下のような小型の専用センサーを装着してお休みいただきます:

  • 指先に装着:血中酸素濃度(SpO₂)を測定

  • 鼻の下に装着:呼吸の流れやいびき音を記録

これらのセンサーで、睡眠中の呼吸状態・酸素濃度の変化・無呼吸の有無などを記録します。検査結果は、翌日以降に解析し、必要に応じて治療方針を検討します。

主に確認する2つの指標

1. AHI(無呼吸低呼吸指数)

AHIとは睡眠1時間あたりに起こる「無呼吸・低呼吸」の回数を数値化したもので、SASの重症度を評価する基本的な指標です。

AHIの基準と対応目安:

AHI(回/時間) 重症度 対応の目安
5〜15 軽症 経過観察・生活改善・マウスピース
15〜30 中等症 CPAP療法を検討
30以上 重症 CPAP療法を推奨

※ AHIが5以上かつ日中の眠気などがある場合、SASと診断される可能性があります。

2. 3%ODI(酸素飽和度低下指数)

3%ODIとは睡眠中に血中酸素濃度(SpO₂)が3%以上低下した回数を、1時間あたりで数値化したものです。
無呼吸や低呼吸に伴う酸素低下を示す重要な指標で、簡易検査ではこのODIも重視されます。

ODIの基準:

  • 3%ODIが5回以上:SASの可能性あり

  • 3%ODIが15回以上:中等度〜重度のSASが強く疑われる

※ AHIが軽度でも、ODIが高い場合には見逃されやすいSASの兆候が隠れていることがあります。

 

②精密検査(PSG:ポリソムノグラフィー)|在宅PSG検査にも対応

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断において、簡易検査で異常が見られた方や、より詳しい評価が必要な方には、精密検査「PSG(ポリソムノグラフィー)」をおすすめしています。PSGでは、以下のような複数の生体情報を同時に測定します。

脳波(睡眠の深さや構造を評価)
心電図(心拍の変化や不整脈の確認)
呼吸の動き(胸・腹部)
酸素飽和度(SpO₂の変動)
筋電図・眼電図(REM睡眠の評価)

これにより、睡眠の質や無呼吸の種類(閉塞型・中枢型)、重症度を総合的に判定できます。

 

在宅PSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)とは、従来入院が必要だった精密な睡眠検査を、ご自宅で受けられるようにした検査方法です。
当院では、次のような理由から在宅PSGを積極的に導入しています。

在宅PSGの詳細について

 

SASの診断の診断と治療の流れ

睡眠時無呼吸症候群の治療法

1. CPAP療法(シーパップ)

中等症~重症のSASにおいて最も効果的かつ標準的な治療法です。

これは、専用のマスクを使って寝ている間に空気を送り込み、気道を開いた状態に保つ治療です。
使用により、日中の眠気や集中力の改善、合併症の改善が期待できます。
健康保険適用で、自己負担は月約4,500円(3割負担)です。

2. 口腔内装置(マウスピース)

軽症の方やCPAPが合わない方に適応されます。

下あごを前に出すことで気道を広げます。
歯科医との連携で作製します。

3. 手術療法

扁桃腺やアデノイドの肥大などが原因であれば、手術が適応される場合があります。

4. 生活習慣の改善

減量(体重の10%減でAHIが30%減るとも言われます)
飲酒・喫煙の制限
横向きで寝る習慣の導入(側臥位)
鼻づまりの治療

これらは他の治療と併用するとより効果的です。

SASについてのよくある質問

Q1. いびきがうるさいと言われますが、それだけで病気ですか?

A1. いびきはSASの重要なサインです。特に「息が止まっている」と言われた方は、一度検査を受けることをおすすめします。

Q2. 検査は入院が必要ですか?

A2. 当院ではご自宅で行える簡易検査をご案内しています。寝る前に装着するだけでOKです。

Q3. CPAPって一生使い続けなければいけませんか?

A3. 症状が重度である限りは継続が必要ですが、減量や生活改善により改善・中止できるケースもあります

 

当院では丁寧な診療と継続的なサポートを提供します

SASは誰でもなり得ます。「太っていないから大丈夫」と思っていても、SASは顎の形や首の太さ、歯並びなどの影響でも発症します。いびきや日中の眠気を軽視せず、早期に検査・治療することで生活の質(QOL)は大きく改善されます。

当院では、睡眠時無呼吸症候群を単なる「いびきの病気」とはとらえず、全身の健康に関わる重大な疾患として診療に取り組んでいます。健診で「SASの疑いあり」と言われた方、ご家族に「寝ている間に呼吸が止まっていた」と指摘された方、「日中の強い眠気」に悩んでいる方は、ぜひ一度検査をご検討ください。

当院では、スクリーニング検査(簡易PSG)や精密検査(在宅PSG)、CPAP治療まで対応しております。検査機器はご自宅で簡単に使用できるタイプをご用意しており、検査の流れ、費用、生活習慣改善のアドバイスまで丁寧にご説明いたします。

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