メニュー

脂肪肝・MASLD・MASHについて知ろう

肝臓は、たんぱく質の合成、栄養分の貯蔵、毒素の解毒、胆汁の分泌など、生命維持に欠かせない多くの機能を担っています。しかし、肝臓は障害があっても自覚症状が現れにくいため、沈黙の臓器と呼ばれています。そのため、少しの不調を見逃すと、知らぬ間に病気が進行し、重篤な状態に至る可能性もあります。健康診断で肝機能異常を指摘された場合や、気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

脂肪肝とは?放置すると怖い沈黙の臓器のリスク

脂肪肝とは、肝細胞の30%以上に中性脂肪が蓄積している状態を指します。日本では成人の約3人に1人が脂肪肝とされており、特に肥満のある方の約80%に脂肪肝が認められます。また、痩せている方でも運動不足や栄養の偏りにより隠れ脂肪肝になることがあり、注意が必要です。

脂肪肝の種類と最新の名称分類(MASLD・MASH)

脂肪肝は原因や病態によって新しく分類されています。以前の名称から変更されているものもあるため、正しい知識を持つことが大切です。

アルコール関連肝疾患(ALD)

多量の飲酒が原因で肝臓に脂肪が蓄積するタイプです。

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)

従来のNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)に代わって提唱された新しい名称で、肥満や糖尿病などの代謝異常を背景に発症します。日本でも2023年から正式にこの名称が使用されるようになりました。MASLDはメタボによる脂肪肝とも表現されます。

代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)

MASLDの中でも、肝臓に炎症や線維化(肝硬変の前段階)がみられる状態をMASHと呼びます。以前はNASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれていました。MASHは放置すると肝硬変や肝がんに進行するリスクが高く、早期発見と管理が重要です。

MetALD(代謝機能障害+アルコール)

代謝異常があり、かつ少量でも飲酒習慣がある方にみられる脂肪肝で、MASLDとアルコールの影響が合わさったタイプです。

MASLDやMASHが引き起こす重大な健康リスク

脂肪肝を放置すると、肝臓だけでなく全身に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 肝硬変や肝がんへの進行(特に糖尿病を伴うとリスク増加)
  • 生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)の悪化や合併
  • 動脈硬化の進行による心筋梗塞や脳梗塞のリスク上昇
  • 大腸がん・乳がんなど他の悪性腫瘍のリスク増加
  • 一部の薬剤(ステロイドなど)による脂肪肝の悪化

脂肪肝やMASLD・MASHを早期発見するための検査

肝臓の状態を正確に把握するために、以下の検査を組み合わせて行います。

血液検査による評価
ALT(GPT)・AST(GOT) 肝細胞の障害の程度を確認します。
γ-GTP アルコールや脂肪による肝臓への負担を評価します。
血小板数 線維化が進行すると減少する傾向があります。
線維化マーカー M2BPGiやFIB-4 indexなどで進行度を測定します。
心代謝系指標 HbA1c、中性脂肪、HDL、血圧、BMIなどを確認します。
画像診断および精密検査
腹部超音波検査(エコー) 肝臓の脂肪沈着や硬さをリアルタイムで評価します。
エラストグラフィ(SWE) 肝硬度(線維化の度合い)を詳しく評価します。
CT・MRI より詳細な画像情報を得ることができます。
肝生検 画像診断での評価が難しい場合や、精密な線維化診断が必要な際に行います。

脂肪肝の治療方法:生活習慣の見直しによる改善

脂肪肝の治療において最も重要なのは生活習慣の改善です。適切なケアにより、肝機能の回復が期待できます。

食事療法

摂取エネルギーを適正化し、肝臓への負担を減らします。

  • カロリーを控えめにする
  • 糖質、飽和脂肪酸、コレステロールの摂取を控える
  • 野菜や魚、豆類を積極的に摂取する

運動療法

  • 有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)
  • 筋力トレーニング(スクワットなど)
  • 週に150分程度の運動を目安に継続する

体重管理と禁酒

体重目標 肥満の方は5〜7%、それ以外の方も3〜5%の減少を目指します。
飲酒習慣 飲酒は週2日以内とし、適量を守ることが大切です。

薬物療法

必要に応じて、ビタミンE製剤などの肝保護薬や、合併する生活習慣病に対する治療薬を使用します。特に糖尿病を合併している場合、SGLT-2阻害薬GLP-1受容体作動薬脂肪肝や体重管理に有効とされ、高い効果が期待されています。

まとめ:定期的な検査と早めの対策を

脂肪肝、MASLD、MASHは、初期には無症状ですが、放置すれば肝硬変や肝がんに進行することもあります。生活習慣の見直しと継続的なケアが予防と改善の鍵です。当院には肝臓専門医が常在しておりますので、健康診断で異常を指摘されたり、気になる症状がある方は、早めに相談してください。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME